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炭酸ソーダ除去装置導入によるめっき液管理の安定
導入経緯
E社は自動車部品の亜鉛めっきを中心に行っているメーカー企業です。
亜鉛ジンケート浴では経時的に炭酸ソーダ濃度が上昇するため、めっき品質を安定させるには日々の電流管理値を液建て時より高くする必要があることが、コスト的な負担となっていました。
対策として年末年始に10名ほどが出社し、めっき浴の空け替えと冷却、結晶化した炭酸ソーダの除去を人手をかけて実施していました。
また、めっき製品を納入されていた企業からは、めっき品質の向上を要望され、そのためには炭酸ソーダ濃度を80g/L以下で管理する必要がありましたが、なかなか達成できずに困っていたところをご相談いただきました。
冷却晶析法を自動化した炭酸ソーダ除去装置 『カーボクリーンNEO CCNEO-280』をご提案し、採用をいただきました。
製品情報
カーボクリーンNEO
型式 | CCNEO-280 | |
---|---|---|
対応するめっき槽 | ~20,000L | |
処理能力 | 280L/回 | |
仕様 | 回分式 | |
寸法 | 長さ(L) | 1,630mm |
幅(W) | 1,210mm | |
高さ(H) | 2,560mm | |
運転重量 | 1,110kg |
解決すべき課題
課題 1
液建て当初は問題ないのですが、徐々に濃度が高まる炭酸ソーダの影響で、安定しためっき品質を維持するためには電流値を
高くしていかなければならず、工程管理の手間とコスト上の問題となっていました。
元より、電流値が高すぎると製品が焼き付いてしまうケースがあるため、炭酸ソーダの濃度を常時一定にしたいと考えていたところ、製品納入先の企業からも炭酸ソーダ濃度の管理を要望されたため、炭酸ソーダを安定的に除去することが具体的な課題となっていました。
課題 2
めっき液を抜き出して外気温で冷却し、結晶化した炭酸ソーダを除去するために年末年始の2~3日間、10名以上の人手を
かけていたため、作業効率も悪く、実際の作業にあたる従業員からも休みが欲しいとの率直な声も出ていました。
導入効果
ソリューション 1
めっき液の冷却から炭酸ソーダの晶析(固体化)までを自動化したカーボクリーンNEOをご使用いただくことで、製品のめっき品質が安定するとともに、電流値を下げることができ、月々の電気代も最大20%低減されました。
また、高い電流値に起因する焼き付き不良はほぼゼロになりました。炭酸ソーダ濃度もグラフのように約60g/Lで維持できており、濃度管理の要望があった製品納入先からも大変褒められ、増産の引き合いに繋がったそうです。
ソリューション 2
カーボクリーンNEOによって、めっき液中の炭酸ソーダ濃度を常に一定水準に保つことができるようになったため、年末年始の人出をかけた除去作業はなくすことができました。
また、実際に作業にあたられていた従業員からは、年末年始に休めるとの喜びの声をいただきました。
カーボクリーンNEOは結晶化した炭酸ソーダを取り出す工程以外は自動稼働し、冷却、晶析を行うため、作業の手間も最低限で、ご使用を継続頂いています。
カーボクリーンNEOは近年比率が増えている亜鉛ーニッケル合金めっきにも多数実績がございます。
炭酸ソーダ濃度でお困りの場合には、是非ご相談ください。